首相は「耳あたりのいいことを言って国民の歓心を買う政治ではなく、選挙が厳しくなるかもしれないが、辛いテーマも理解いただける政治を日本につくれるかの正念場だ」と言うが、「耳あたりのいい」「国民の歓心を買う」ことをいって政権をとったのは、ほかならぬ民主党ではなかったか。本心からそう思うなら、まずマニフェスト(政権公約)を撤回し、国民に真摯(しんし)に謝罪すべきだろう。

読者の方には、政権公約の中の「民主党政権が政策を実行する手順をご説明いたします」というページを読み返していただきたい。無駄遣いの排除と予算の組み換えで平成25年までに16・8兆円を生み出し、子ども手当、高校授業料無償化、年金改革、医療、介護、農家戸別補償、ガソリン税引き下げ、高速道路無料、雇用対策、最低賃金引き上げ、後期高齢者医療廃止を実行すると謳(うた)ってある。

問題は、その16・8兆円に子育て、年金、医療、介護、雇用という社会保障の政策が入っていたことだ。民主党の本来の主張は、消費税を上げずに社会保障改革もするということだった。歴史的政権交代をもたらした公約の財源に、消費税増税は含まれていない。

弁護士、衆議院議員・稲田朋美 増税の前にやるべきことがある2012.1.19 03:27