[AC論説] No.381 アメリカが台湾の選挙に介入?

今日は1月13日、台湾のダブル選挙の投票がいよいよ明日の14日に迫ったが、12日、台湾に選挙の観察にやってきたダグラス・パール、アメリカの元AIT代表が台湾の総統選挙に非公式介入をする発言をした。

アメリカと台湾の中華民国は国交がないだけでなく、たとえあったとしても他国の選挙に関与するような発言をしてはならないはずだ。

こんな国際常識はアメリカとてもわかっている。二ヶ月前にアメリカの国務庁副長官のカーと・キャンベル博士が、「アメリカは台湾の選挙に対し中立を守り、国民党と民進党のどちらの候補者が当選してもアメリカは当選者を支持する」と公式声明を発表している。
ところがこの声明に反し、ダグラス・パール氏は12日夜、台湾の中天テレビに出場して「馬英九が当選すれば台湾、中国とアメリカは安堵するだろう。馬英九の当選は台湾の繁栄と現状に繋がる」と発言したのである。パール氏はすでに引退した人間だから、彼個人の発言とも言えるが、彼は個人の発言であると言わず、しかも「蔡英文氏が当選すればワシントンは安心できない」とさえ述べたのだ。

●「92共識」と?台湾共識?

パール氏の発言は蔡英文氏は選挙公約で「台湾共識」を唱えたことにある。彼は台湾共識は非現実的だと述べたのみならず、馬英九の唱えた「92共識はでっち上げに過ぎない」とした上で、さらに「92共識こそが両岸(中国と台湾の関係を指す)の正しい認識である」と述べたのである。これは矛盾しているだけでなく、パール氏の発言は中国の代言人としての発言である。

「92共識」とは元李登輝総統の時代、1992年に台湾の中華民国と中華人民共和国がはじめて会談をした際に、台湾の代表は相互間の商務交流と民間文書の証明の発行などについて談合するとしたが、中国側はこの会談では中華人民共和国と中華民国の統一に向けての会談であることを盛りいれると主張し、最終的合意に至らなかったものを指す。

つまり「92共識」は存在しない。このことは92年4月に会談が行われたシンガポールのリークアンユーの回顧録に明確に書いているし、李登輝元総統も再三否定している。この会談で中国は台湾を併呑したいと表現し、台湾の中華民国政府は統一について談合することはないことを明確にしたのだ。

ところが馬英九は選挙で92共識は存在すると主張したので台湾で大論争になった。馬英九発言はつまり中華民国と中華人民共和国は将来において統一に向けて談合をする(つまり台湾は中国の一部という勝手な中国側の主張を認めるということ)意思を発表したのである。

ダグラス・パール氏はこの92共識をでっち上げに過ぎないと発言したのに、さらに92共識派正しい認識であると発言した、つまり中国側の代言人として選挙に影響を与える発言をしたのである。

もともと存在しない92認識に対し、蔡英文の主張は、92共識は存在しないとした上で、「台湾と中国の問題は台湾人全体の共通の認識が必要である」、つまり「台湾共識」が必要であると主張したのである。

台湾の将来がどうなるかは台湾人民全体の同意を得なければならない。これは民主主義の最も基本的な条件である。それなのにパール氏は蔡英文の台湾共識を非現実的と批判し、さらに存在しない92共識こそ正しい認識だと発言したのである。

アメリカは台湾の選挙の介入すべきでないし、このような?非公式的?な手段を使って選挙の二日前に馬英九を支持する発言をしたことは非常識である。世界の民主を支持する人たちは挙ってアメリカの卑劣な手段を批判しなければならない。

草莽崛起ーPRIDE OF JAPAN アメリカが台湾の選挙に介入?: 2012/01/16 Mon